2018年05月06日

人形作家 「与 勇輝(あたえ・ゆうき)」展


 京都高島屋(4月25日(水)〜5月7日(月))で開催中です。私が与氏の人形を間近で見たのは、1994年、同じ高島屋での人形展でした。

その頃は、1996年に身体のアクシデントに出会う2年ぐらい前になります。私の身体は左足から引っ張られ、それに負けないようにお腹と胸を必死に引き上げ、脊柱は最高に伸びている状態でした。まるで、重力の無い、浮き上がるような身体で生きていましたので、与氏の人形は心の中に響きました。

 その時のテーマは、「妖精の森」。それは倉本聰氏作「ニングル」に出てくる主人公チュチュ等身大(森の民ニングルは300年の生命を持つかわりに背丈は15センチぐらいしかないのです)を与氏が創られていたのでした。その人形を見て生命を感じた倉本氏は、北海道富良野の自然の中に人形を立たせて撮影し次々と創られる与氏の人形によって「フォトストーリー」が完成しました。

 沢の精との出会い、別れ、悲しみの中のチュチュの表情や、永遠の眠りにつく沢の精など、24年経つ今も胸を打つ作品です。その本には「こぶし」「カラ−」「さざなみ」という作品が載っているのですが、その頃の心と身体を思い出す私にとってとても貴重な人形です。

 創作人形をつくり始めて50年が過ぎた今、80歳でも人形をつくり続けていらっしゃることに改めて感動を頂き、またよりリアルで、よりピュアな、惹き込まれるような魅力が増しているように感じました。

 そして、一番のすごいところは、みごとな立位の姿です。足に重りを付けている訳ではなく、つっかえ棒が付いている訳でもないのに、どのようなしぐさをしていてもきちんとバランスが取れていますので、自然な身体を見せてくれます。昭和の頃、戦争後の子供達でしょうか。日本人形には無い、表情や肢体の豊かさに驚きます。

 今、手元に5冊の本があります。同じ人形も何度も載っているのですが、それぞれの時代に応じた編集が成されていて、どの1冊を手にしても、懐かしいような感慨にふけることができます。

 私も与氏のように、いつまでも純粋な魂を持ち続けながら、芯体操と向き合っていきたいと改めて感じ、幸せを頂いた空間でした。
posted by 津田 美智子 at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記