2021年11月07日
正しい姿勢
今朝の朝刊に面白い記事が載っていてふと目を止めました。何故かと言えば、日頃から芯体操のレッスンで、芯のある身体について話すときによく持ち出すことをズバリ書かれていたからです。芯があればからだにまとう布が流線となってとてもきれいだということを仏像に例えて話すのですが、奈良や鎌倉の大仏が浮かぶときは自分で言っておきながら思わず首を振ってしまうのです。
大仏のからだにまとう布は確かに流線になっているのにそのからだは大きく太ったからだです。私の描いている仏像は、例えば薬師寺に祀られている観音像「聖観音像」などであり、とても美しい姿として有名です。しなやかな召し物をまとい、思わず惹きつけられます。だから、「仏像なのに何故あんなからだなんでしょうね?」ってぼやいてしまうことしばしばだったのです。
「引用してみますと、〈かまくらや御ほとけなれど釈迦牟尼(しゃかむに)は 美男におはす夏木立かな〉。 鎌倉大仏の端正な顔立ちを歌にしたのは、与謝野晶子である ただし、顔はハンサムでも姿勢に緩みがあるといわれてきた。なぜかうつむいて、猫背になっている。一説に鎌倉時代に仏像を猫背にするのがはやったといわれるが、くわしいことはわかっていない。正しい姿勢というものは、仏像の世界にはないのだろう 目上の人にあいさつしたり、机に向かったり・・・。あるいは様々な武道や競技に正しい姿勢というものがある。」
そして、山梨県の遊園地「富士急ハイランド」で起こった事故のことを書かれていました。利用客が相次いで首などを骨折した件ですが、私もそのニュースには非常にショックを受けていました。遊園地での乗り物がどんどんエスカレートすることに、一抹の懸念を抱いていましたが、第三者委員会が「正しい姿勢を取ること」などの注意喚起に改善の余地があったとする中間報告をまとめたと書かれていたことには日頃、ジェットコースターや逆さ吊りになる遊具に恐怖を感じていた私は、大きなショックを受けました。筆者の「正しい姿勢をとらなければ骨折する」と聞こえてしまうのは当然であります。
からだについて深く探求すればするほど、やってはいけないことがあることを知ります。私は明らかに車の設計ミスによりからだに無理がかかり大変な体験をしました。しかし、その設計ミスから受けたアクシデントは、世の中に知らすこともできないまま、私の心とからだに深く残っています。からだは重力に負けない芯のあるからだを求めています。姿勢を正すことは最も自然なことなのです。物を作る人はからだを知っていなければなりません。ミスは許されることではないのです。
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