2022年12月17日

身体と向き合うことの日々を想う

 
 毎日色々なお教室、色々な人に出会い、色々な動きに挑戦し、色々な身体に出会う。こんな生活をしていると、自分の人生は何を求めているのか分からなくなるかと思う時がある。昨日までの身体に幸せを感じていたのに、今日の自分に戸惑いを覚える。リズムというものは不思議である。一人ひとりの感じ方は信じられないくらいに違う。何十分の一違ったとするだけで、世界は変わる。少しの違いであっても、天と地ぐらい違ってもおかしくはない。では、その違いをどう埋めれば良いのか・・・それは途轍もなく難しいことであるかも知れないけれど、案外と簡単なことかもしれない。

 人間がつくり出す、音楽を聴くことでリズムを感じていたとしても、その音源には思い込みがあるかもしれない。メトロノームでつくり出す音と、自然の中で生まれる音には限りなく違いを感じているのかもしれない。私は色々なアーティストの曲を聴いてきたがその人の創り出すリズムや世界観で心に同化したものだけを自分の中に取り入れてきたように思う。一人の人間が絶対的なのではなく、自分自身が絶対的でもない。自分のその時々にある状態は全てのものにあてはまるわけではないのだ。

 私の身体は日々変わる特殊な状況であるかも知れないが、だからと言っていい加減な人生とは思わない。『パーフェクト』の曲は、コロナ禍という特殊な環境の中で出会い、自然に作品として生まれたものであるが、和訳を知って作ったわけでもなく、アーティストが好きで彼の曲全てが好きであったわけでもない。そして、色々な動きを組み合わせて作った作品というわけでもない。しかし、この曲、振りは自分自身の中から湧きあがり、生まれたものだった。

 多くの作品が残ったのを今、不思議な気持ちで振り返る。どれもが内から湧きあがって一連の流れとなり生まれたもの・・・リズムに合わせたわけでもなく、そのときの身体の状態が感じ取って動いていた不思議な感慨が残っている。身体のバランスを崩していた時も、長期にわたり床に就いていた時も、私は作品を創っていたことに驚きを隠せないでいる。「世界に一つだけの花」は、教室のレッスンの存続を願って、インストラクター、そして生徒さんのために届けたい一心で生まれたものだ。

 今、20周年記念を祝うために当時の作品をいくつか挙げてみた中の一つで、今のレッスンの基本が見事にまとめられていることに驚きを隠せない。簡単な振りと思うかもしれないが、「骨を引き離す」 「関節をゆるめる」 「深層の筋肉を伸ばす」運動が見事に入っている。自画自賛ではなく、こういう不思議な出来事に改めて出会い、それを信じることができることに感謝の他無いと思える今がある。
URL http://www.shintaisou.jp/
posted by 津田 美智子 at 22:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記