2020年01月18日

 認知症に対する考え方

 
 テレビで放映された医師、長谷川和夫氏(90歳)の生き方はとても考えさせられた番組で数日経った今でも心に残っています。彼は、「痴呆(ちほう)」という呼称を「認知症」に変えるなど、人生を認知症医療に捧げてきた第一人者なのです。NHKは、この1年、長谷川氏とその家族の姿を、記録し続けてきました。

 86歳まで診療を続け、今も講演や研究に精力的に活動されていますが、本人が認知症になるという闘いが始まっていたのです。奥さまの瑞子さん、娘のまりさん達に支えられながら、少しずつからだが衰えて行くさまが、見てとれますが、それにしてもご本人の意識というものは、確かなものを感じられます。

 毎日、お気に入りの喫茶店で珈琲を楽しんだりも、まりさんが付き添って通われているとか、講演会にも付き添ってもらいながらなので、ご家族の負担も少しずつ、増えていくようです。私たちが親の介護で感じていた事態と同じなのかと思いながら見ていましたが、おや?何かが違うのでは?という疑問が生まれてきました。

 だんだん、寡黙になりますが普通は分からないことが増えていくからかと思いますが、映像はあくまでも長谷川氏を追い続けていますので、ご本人の感じ方が手に取るように分かります。そうです、彼には周りがどう思っているかということも認識できているのです。だから、自分が迷惑をかけているから、どうしたらいいのかを自問自答しておられます。

 ご自分から、施設の2泊3日のコースを受けたりもされましたが、私の母のこととダブって身につまされる思いになりました。知らない人たちと一斉に食事したり、簡単な運動を一緒に行ったり、そこには、今までの功績に対する尊厳もありません。認知症になったらもう、自分の意志は奪われてしまうのか、そのまま、廃人のように扱われてしまうのか・・・

 自分に置き換えてみると、誰も悪い人はいなくても、自分の生活は奪われてしまうのかという悲壮感を感じました。
 しかし、そう感じた彼は、「自分の家に帰りたい。」と思いました。自宅に帰ると直ぐに2階の自分の仕事場に行って、「ここにいると落ち着くのですよ。」と医師である姿、顔つきもしっかりしていました。「今までは、認知症の人にはデイサービスに行ったらどうかと言っていましたが行ってみると、どんどんひとりになっていくのです。」

 「みんなに迷惑をかけていると自覚しているから、気分の落ち込みでだんだん寡黙になっていく」 この言葉は重かったです。認知症の彼の、「見える景色は変わらない」という言葉に私たちが勝手な思い込みをしていないか、問われたように思いました。

URL http://www.shintaisou.jp/
posted by 津田 美智子 at 01:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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